人口は増えても、シェアは減る ― G20と世界人口の65年【MakeoverMonday 2026 W39】

公開日: 2026-10-10
カテゴリ: MakeoverMonday
今週のお題
今週のテーマは 世界人口(1960〜2025年) です。国・地域ごとの年次人口に、世界全体に占める割合(Population/world)や、G7・G10・G20 といった国グループへの所属フラグが付いたデータセットでした。
世界人口は1960年の約30億人から、2025年には約82億人まで増えています。ただ、「どの国も増えている」という事実だけを眺めていても、世界の中での位置づけがどう変わったのかは見えてきません。そこで今回は 「人口の大きさ」と「世界に占める割合」を同時に見る ことをテーマにしました。
作成したダッシュボード
→ Growing Populations, Shifting Global Shares(Tableau Public)
工夫した点・こだわり
1. メッセージを一文で言い切る
タイトルは「Growing Populations, Shifting Global Shares」、サブタイトルは「Population growth does not always mean a larger global share.(人口が増えても、世界シェアが大きくなるとは限らない)」としました。
データで確かめると、G20(データ上は19か国)の人口は1960年の約20億人から2025年の約47億人へ 2.3倍 に増えています。それでも世界人口に占める割合は 67.4% → 57.8% に下がっていました。G20以外の国々の人口が、それを上回るペースで増えているためです。この「増えているのに減っている」というズレを、ダッシュボード全体で伝えることにしました。
2. 上段:世界の総量と、年ごとの増加数を重ねる
上段のチャートでは、世界人口(黒線・左軸)と、グループ別の年間人口増加数(右軸)を重ねています。
- G20の年間増加数は 1971年の約5,300万人 がピークで、2025年には約2,000万人まで減っています
- G20以外の国々の年間増加数は、1961年の約2,200万人から2025年には約5,500万人まで増えています
- 2003年に両者が入れ替わり、それ以降は G20以外の国々の増加数のほうが多く なっています
世界人口の線は65年間ほぼまっすぐ伸びていますが、その中身(どこで増えているか)は大きく入れ替わっていることが分かります。
3. 下段:横軸に人口、縦軸にシェアを取った「軌跡」
下段の2枚はいずれも、横軸に人口、縦軸に世界シェアを取り、年の順に点をつないだ散布図(コネクテッド・スキャッタープロット)です。
- 左(国グループ別):G20の線は右へ伸びながら下がり、それ以外の国々の線は右へ伸びながら上がります。「人口は増えたが、シェアは下がった」が一目で分かる形です
- 右(国別):たとえば中国は世界シェアが22.1%(1960年)から17.1%(2025年)に下がり、インドは14.4%から17.8%に上がっています。データ上も2025年時点ではインドが中国を上回っています(約14.6億人 vs 約14.1億人)。日本はシェアが3.1%から1.5%に半減しました
右上の「Country Group」で G7 / G10 / G20 を切り替えると、比較対象のグループが変わります。
使ったTableauの技術・Tips
パラメーター+CASE式で比較グループを切り替える
国グループの切り替えは、パラメーター(0=G7、1=G10、2=G20、既定値は2)と、それを受ける計算フィールドで作っています。
// c.selected Category(色分け用のディメンション)
CASE [p.select category]
WHEN 0 THEN IIF([Is G7], "G7 Countries", "Other Countries")
WHEN 1 THEN IIF([Is G10], "G10 Countries", "Other Countries")
WHEN 2 THEN IIF([Is G20], "G20 Countries", "Other Countries")
END
同じパラメーターで真偽値を返す c.selected Country(CASE ... WHEN 0 THEN [Is G7] ...)も用意し、国別のチャートをグループで絞り込んでいます。グループごとにシートを分けずに済むので、比較の軸を増やしてもシートが増えません。
LOD表現で「世界人口」を分母として固定する
グループのシェアは、次の2つの計算フィールドで出しています。
// World Population by Year
{ FIXED [Year] : MAX( IF [Country Code] = "WLD" THEN [Population] END ) }
// Group Share of World Population
SUM([Population]) / SUM([World Population by Year])
FIXED を使うと、ビューでグループや国を絞り込んでも、分母は「その年の世界人口(WLD行)」のまま変わりません。データには「World」や地域・所得階層などの集計行も含まれているので、グループの人口は IIF(NOT [Is Aggregate], [Population], NULL) で個別の国だけを足し合わせています。集計行を混ぜたまま合計すると二重に数えてしまうため、ここは最初に押さえておきたいポイントです。
表計算「差」で年間増加数を出し、二重軸で重ねる
上段の年間増加数は、国だけの人口を合計した値に表計算の「差」をかけ、前年との差分として出しています。世界人口の線とは単位も桁も違う(数十億人と数千万人)ため、二重軸にして左右に別々の目盛りを持たせました。
また label.year(IIF(YEAR([Year])=2025 OR YEAR([Year])=1960, YEAR([Year]), NULL))で、ラベルを始点と終点の年だけに絞っています。
設計の根拠:最も重要なデータを軸に置く
Tableauの『ビジュアル分析のベストプラクティス』には、次の一節があります。
最も重要なデータを X 軸と Y 軸に設定し、さほど重要でないデータを色やサイズや形状に設定するのが一般的です。
今回伝えたいのは「人口」と「シェア」の関係なので、この2つを縦横の軸に置き、年は線のつながり(パス)、グループは色に割り当てました。同じ資料には「1 つのビューで使用する色と形状の数を制限」という項目もあります。上段と左下は色を「G20/それ以外」の2色に絞り、強調したいグループだけをオレンジにしています。
学び・振り返り
- 「量」と「割合」は別の物語になる。 量だけ見れば「みんな増えた」で終わりますが、割合を重ねると「増えたのに存在感は下がった」という構図が見えてきます。売上と市場シェアの関係など、ビジネスの数字でもそのまま使える見方です
- 集計行の扱いは最初に決める。 国と集計(World・地域・所得階層)が同じ列に並ぶデータは、合計した瞬間に二重計上が起きます。
Is Aggregateのようなフラグを先に確認してから計算を組むようにします - 次回への課題。 右下の国別チャートは19本の線が左下に集中し、小さな国が読み取りにくくなりました。対数軸にする、注目国だけをハイライトするなど、密集を解く工夫を次回は試したいと思います
Tableau Public プロフィール: tamaball38175 のダッシュボード一覧
⚠️ 注記: この記事はAIを活用して生成されています。内容に誤りが含まれる可能性があります。技術的な詳細については公式ドキュメントも合わせてご確認ください。
