富と投資力は別物 ― 一人当たりFDIで見る世界の投資ハブ

今週のお題
今週のMakeoverMonday(2026年 第24週)のテーマは 「Global Top Foreign Investments(世界の海外直接投資ランキング)」。海外直接投資(FDI: Foreign Direct Investment)とは、企業や投資家が自国の外に資金を投じる動きを示す指標で、今回のデータは 2024年のFDI流出額($M)が大きい国 をランキングにしたものです。
元データはとてもシンプルで、「国名」「略称」「2024年FDI流出額」の3列だけ。そのまま棒グラフにすれば、アメリカ・中国・日本といった経済大国が上位に並ぶ ―― それ自体は予想どおりで、あまり驚きのない絵になります。
そこで今回は 「総額ランキングでは見えない物語」 を引き出すことをテーマにしました。
作成したダッシュボード
タイトルは “Wealth and Investment Power Are Not the Same(富と投資力は別物)”。一人当たりGDP(経済的な豊かさ)と一人当たりFDI(対外投資の活発さ)を並べて見ると、両者は必ずしも一致しないことが浮かび上がります。
工夫した点・こだわり
1. 元データに「分母」を足して、比較の土俵をそろえた
今回の肝は、元のFDIデータに IMFの世界経済見通し(WEO, 2024年10月版)のGDP・人口データを結合 した点です。これにより、次の指標を新たに計算しました。
- 一人当たりFDI(FDI per Capita) ―― 人口で割って、国の規模差を取り除く
- 一人当たりGDP(GDP per Capita) ―― 経済的な豊かさの代理指標
- FDI対GDP比 ―― 経済規模に対してどれだけ対外投資しているか
総額だけで見ると、人口・経済規模の大きい国が自動的に上位に来てしまいます。人口という「分母」でそろえることで、国の大きさではなく投資の密度 を比べられるようにしたのが最大の工夫です。
2. 3つの視点を1枚に
- 散布図(FDI per Capita × GDP per Capita) ―― メインの主張。横軸・縦軸ともに対数スケールにして、数百ドルから10万ドル超まで桁の違う国を1枚に収めました。ルクセンブルク・シンガポール・香港といった金融ハブが右上に大きく外れて位置し、「豊かさ」と「投資力」のズレが一目でわかります。
- 棒グラフ(Top FDI Source Countries) ―― 総額ランキング。Top Nパラメータで表示件数を切り替えられるようにし、首位は約2,664億ドル規模。アメリカ・中国・日本など大型経済が上位を占める「従来の見え方」をあえて残しています。
- 世界地図(Global Distribution of Major FDI Sources) ―― 主要なFDI供給国の地理的な広がり。投資マネーが北米・欧州・東アジアに集中している様子を補足します。
総額(棒)と密度(散布図)を並置することで、「同じデータでも切り口を変えると結論が変わる」 というストーリーを1枚で語れる構成にしました。
使ったTableauの技術・Tips
データ準備:結合と国名マッチング
FDIデータとWEOデータは国名の表記ゆれ(”United States” / “USA” など)があるため、そのままでは結合できません。今回は事前に国名のマッチング処理(マッチ方法・マッチスコアを記録)を行ってからTableau上で結合しました。出所の異なるデータをつなぐときは、結合キーの正規化を先に済ませておく のが鉄則です。
一人当たり指標とFDI対GDP比の計算フィールド
FDI per Capita = FDI流出額 / 人口、FDI to GDP % = FDI流出額 / GDP のように、比率に変換して規模差を吸収しています。Tableau公式の『Visual Analysis Best Practices』でも、異なる規模の対象を比較するときは絶対量ではなく比率・正規化した指標を使う ことが推奨されており、今回の「人口で割る」アプローチはまさにこの原則に沿っています。
対数スケールで桁違いのデータを1枚に
一人当たりFDIは数百ドルの国から10万ドル超の金融ハブまで桁が大きく異なります。線形軸だと小さい国が原点付近に潰れてしまうため、両軸を対数スケール にして全体の分布を読めるようにしました。広いレンジを持つデータを散布図で見せるときの定番テクニックです。
TopNパラメータ+RANK表計算でランキングを可変に
棒グラフは RANK 表計算で順位を付け、整数パラメータ(TopN、初期値10)で「上位何カ国を表示するか」を切り替えられるようにしています。フィルターを INDEX() <= [TopN] のような形で組むと、再描画のたびに上位N件が動的に絞り込まれます。
ストーリーを先に立てるタイトル設計
『Data Storytelling』のホワイトペーパーが説くとおり、ダッシュボードは「何を見せるか」より 「何を言いたいか」 を先に決めると伝わりやすくなります。今回もまず “Wealth and Investment Power Are Not the Same” という主張をタイトルに置き、それを裏づける順番(散布図→ランキング→地図)でビューを配置しました。
学び・振り返り
今回いちばんの学びは、「元データが薄いときほど、外部データの結合が効く」 ということ。3列だけのランキング表も、GDPと人口という分母を足すだけで「大国が強い」という当たり前の話から「金融ハブが密度で勝つ」という発見に変わりました。
一方で反省点もあります。一人当たりFDIは、ルクセンブルクやイギリス領ヴァージン諸島のような タックスヘイブン・導管国(パススルー投資)の影響 を強く受けます。「投資力が高い」と「資金が通過しているだけ」は別物なので、次に作るなら最終仕向け地ベースのFDIや、FDI対GDP比とあわせて多面的に見せると、より誤解の少ないストーリーになりそうです。
Tableau Public プロフィール: https://public.tableau.com/app/profile/tamaball38175/vizzes
⚠️ 注記: この記事はAIを活用して生成されています。内容に誤りが含まれる可能性があります。技術的な詳細については公式ドキュメントも合わせてご確認ください。
